尿失禁とは
 尿は腎臓でつくられ、尿管を通って膀胱に送られます。一定量の尿が膀胱にたまると、神経の働きで脳が刺激され、尿意を感じますが、我慢しようと思えば脳から命令が出て、膀胱の興奮を抑えるとともに、尿道のまわりの筋肉(尿道括約筋)を収縮させ、尿はもれません。
 これを蓄尿と言います。一方、尿を出す準備ができると、逆に脳からの命令で膀胱が収縮し、尿道括約筋がゆるんで、尿道から尿が出ます。これが排尿です。
 尿失禁とは、何らかの原因でこの蓄尿や排尿のコントロールがきかなくなり、自分の意思と関係なく尿がもれてしまう状態を言います。

尿失禁のタイプ
腹圧性尿失禁
 咳やくしゃみなど、おなかに力が入ったときに尿がもれるタイプです。
女性に最も多いタイプの尿失禁で、出産、老化、肥満などが原因で尿道括約筋がゆるむために起こります。

切迫性尿失禁
 排尿したくなると、トイレまで我慢できずに尿をもらしてしまうタイプです。
脳からの排尿のコントロールがうまく働かずに膀胱が収縮するために起こります。

溢流性尿失禁
 尿の出が悪く、1日中ちびちびと尿もれするタイプです。前立腺肥大症などで尿道の通りが悪くなり、膀胱から尿があふれて、少しずつもれるもので、男性に多いタイプです。

尿失禁の治療法
 尿失禁の原因やタイプにより、治療法は異なりますが、大きく分けて、薬物療法、運動療法(骨盤底筋体操)、手術療法などがあります。また、新しい治療法として、磁気刺激療法があります。
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